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Nike Library? [school]

図書館というとどのような空間を思い浮かべるでしょうか。私の場合真っ先に頭に浮かんでしまうのは日本での大学受験の頃通った渋谷区立図書館なんです。あれははっきりいって現実逃避でしたね。あのふるくさーい時代から取り残されたようなあの建物と空間は70年代生まれの私には何か懐かしく、妙に落ち着くものでした。何せ昭和45年、つまり1970年につくられた建物ですから私が懐かしさを感じるのも納得のいくとことです。勉強しにいくというよりも時間を超えた空間体験をしに行っていたというところでしょうか。ちなみに東京都児童会館も好きでしたね。今は多少たたずまいも変わってるんでしょうけど、以前は渋谷区立図書館と同様、なんだか古くささの残る建物でその60年代、70年代の香りを残す風情になんともいえない郷愁感のようなものを感じていました。さてそんな私ですが現在学校のプロジェクトでライブラリーをデザインしています。それはもはや私が思い浮かべる”図書館”ではありません。Future Library です。今更何をどうかえるのかっていうことですよね。かの伊東豊雄氏もこう語っています。「この6年間のスタディを通じてどれほど図書館という施設が完結性の強い、微動だにしない構成を保持しているかと痛感させられました。」しかし一方で OMA のSeattle Public Library では私は図書館に対する新しい解釈が試みられていると思います。藤村龍至氏の解説によると、Rem Koolhaas は本来商業空間で発達した「検索可能性」「遭遇可能性」をこのライブラリーに活用しているというのです。「例えばデパートにおいて、エレベータは売り場を検索可能にする装置でありエスカレータは遭遇可能にする装置である。」ということなのです。つまり本でいえば目次にあたる部分がエレベータにあたり、中身はエスカレータということなのでしょうかね。この商業的なコンセプトを図書館という非常に伝統的な空間に持ち込んだということは非常に画期的だし、大事なことだと思います。様々なデータを検証していますが図書館は少しづつではありますが死につつあります。なんといってもインターネットの普及でもはや現代において情報収集という目的のために図書館へ行くという人は減少しています。そもそも本を読むという行為自体が現代ではなくなってきているのではないでしょうか。その分の時間は他のことにあてられているのではないでしょうか。それこそブログを読んだり、インターネットをみたり。また私が昔したような勉強をするという空間としても機能しなくなっているのではないかと思います。あの本の聖域のような場所が好きだという人ももちろんいるでしょうが、時代から取り残されたあの希有な空間を好まない人も多いと思います。その代わりにファミレス、カフェといった場所が好まれているのではないでしょうか。そこで私は新しいタイポロジーとしての図書館を提案したいのです。そこで登場するのが Nike Library なのです。が、今回あまりに長いのでまた次回この続きを書きたいと思います。

Seattle Public Library: OMA / LMN (Verb Monography S.)

Seattle Public Library: OMA / LMN (Verb Monography S.)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Actar
  • 発売日: 2005/09/30
  • メディア: ハードカバー


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