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建築界のビートルズ [school]

うちの学校にやってきました、デニス・クロンプトン!建築界のビートルズとの異名をとるARCHIGRAMのメンバーのひとりです。アーキグラムとは6人からなるイギリスの建築家グループであり、実作がないにも関わらずレム・コールハースやザハ・ハディッドなどの建築家や、ポール・スミスなどのデザイナーにも影響を与えたといわれています。そのあたりが建築界のビートルズと呼ばれる理由でしょうか。どの世界にも流れというか受け継がれるものみたいなことはありますよね。ビートルズの流れをくんでいる日本人のバンドもたくさんありますよね。しかしそのように呼ばれている事を意識してかレクチャー前にはビートルズの「Strawberry Field Forever」 がアポロの月面着陸の映像とともに流れ、レクチャー中にもエルビス・プレスリーのことをかたるポール・マッカートニー映像をみせたりしていましたね。

この写真は彼らのプロジェクトのなかで最も有名なもののひとつ、Walking City です。巨大な都市に昆虫のような脚がついており、居住者が希望する場所へ移動してしまうという一見おふざけかなとも思えるような作品。今日のレクチャーでも語っていましたが、これはある意味現在の多くのビルがそうであるようにただの箱、不動の建築からの脱却という可動的あるいは軽さへの挑戦であるのです。まあ解説的なことはいろいろなサイトで読めるでしょうから、簡単に感想をいってみます。最初に受けた印象といえば60年代だなということです。使っている映像、コラージュの雰囲気。そういったアートピーズのひとつひとつがすべて60年代の匂いを放っています。なにがそうも60年代なのか。サイケデリックな色使いなのか。それとも建築とポップを組み合わせたそのアバンギャルドさなのか。うまいのは単なるポップカルチャーではおわっていないこと。そこにはずべて意味があり、プラクティカルであるといえます。そして何よりよくしゃべる!70をもう超しているんです。にも関わらず座りながらではありましたが2時間に及ぶロングレクチャー。はなしだすともうとまらないようで自分でもちょっと長いからこれくらいにしておくよみたいなことをいっていました。なにしろ質問を受けてその答えのボリュームがすごい。建築について語るのが本当に好きなのだなとそのパワー、熱意が充分すぎるほど伝わってきました。それにしてもあの世代の人達にはパワーがある。日本でいえば長島茂雄氏や故石原裕次郎氏などがいますよね。新しいものをつくりだせる人材をうみだす何かが社会全体にあったのでしょうかね。とまあ偉そうに語っていますが正直にいうとなにしろイギリス英語のうえ自分自身の寝不足などが重なり途中まったくなにをいってるのかわからない部分があったというのが本当のところ。アメリカで英語を勉強すると大抵の人はイギリス英語が結構苦手になるのではないでしょうか。イギリスの王室はかつてフランスからやってきたというだけあって英語もどこかフランスっぽいですよね。そこが残念な点ではありましたが、今回の収穫はやはりあのパワーを感じる事ができたということに尽きますね。


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midterm 終了 [school]

本日プレゼンが終了しました。ある意味思った通りだったといえるでしょう。まだ自分の中でbrain storming しているようなところがあり、そのまとまりのなさを見事に指摘されましたね。"I don't understand." と3人ぐらいが口を揃えていっていました。まあ予想はしていましたが。これはスポーツのようなもので感覚が大事なんです。自分の中でいける!という感覚をどれだけ持てているか。今回はそこまでの勢いはなかったですね。のってるときは作業中も楽しいのですが、のってないときは作業もまったく楽しくない。常々思うのですが、建築とはいえ結局はいかに筋道の通ったストーリー、あるいはシナリオをもてているかということがプレゼンのときは大事ですね。私のいけない癖で、ちょこちょこと浮かんでくるアイデアをバラバラのままプレゼンしてしまうというところがあります。これは英語とか日本語とかの問題ではないです。このプロジェクトが始まって約2ヶ月。この間、それはもういろいろなことを考えますし、新しい知識もどんどん入ってきます。それらを処理しデザインにつなげ、最終的には自分なりのストーリーをつくっていく。このストーリーがいかに論理だてられているかというところが勝負の分かれ目ですね。情報処理能力とでもいうのでしょうか。独創的な発想なんかも大事なんですけど、はっきりいってここにはそれほどの差はないですよね。同じ年代で同じくらいのデザイン経験でそんなに差がでるわけはないです。やはり情報をいかに処理し、それをどう伝えていくのか、ここが大事なポイントです。もちろん建築なのでみための美しさなども大事ですがゲストでやってくる批評家 (guest critic) なんかは理論について語る事が好きな人が多いですね。まあ自分なりに反省点もわかっているので Final ではやってやろうと思ってます。


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midterm [school]

ここのところすっかり更新していませんが、いつのまにやらso-net もだいぶ軽くなってますね。今回は具体的な変更もあったのでしばらくは大丈夫そうですね。こちらは月曜の発表に向け必死です。今もMAYA というソフトで全体のデザインを決めてますが、まったくいいものができず焦り気味です。このMAYA を使うとかなり計算に容量を使うようで Save するだけでも非常に遅い。Mac Pro 欲しいな、なんて思いますよ。なんたって×4ですからね。おっと、ようやく Save できたようなので作業に戻ります。土日もずっと作業だー‥‥


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Nike Library? [school]

図書館というとどのような空間を思い浮かべるでしょうか。私の場合真っ先に頭に浮かんでしまうのは日本での大学受験の頃通った渋谷区立図書館なんです。あれははっきりいって現実逃避でしたね。あのふるくさーい時代から取り残されたようなあの建物と空間は70年代生まれの私には何か懐かしく、妙に落ち着くものでした。何せ昭和45年、つまり1970年につくられた建物ですから私が懐かしさを感じるのも納得のいくとことです。勉強しにいくというよりも時間を超えた空間体験をしに行っていたというところでしょうか。ちなみに東京都児童会館も好きでしたね。今は多少たたずまいも変わってるんでしょうけど、以前は渋谷区立図書館と同様、なんだか古くささの残る建物でその60年代、70年代の香りを残す風情になんともいえない郷愁感のようなものを感じていました。さてそんな私ですが現在学校のプロジェクトでライブラリーをデザインしています。それはもはや私が思い浮かべる”図書館”ではありません。Future Library です。今更何をどうかえるのかっていうことですよね。かの伊東豊雄氏もこう語っています。「この6年間のスタディを通じてどれほど図書館という施設が完結性の強い、微動だにしない構成を保持しているかと痛感させられました。」しかし一方で OMA のSeattle Public Library では私は図書館に対する新しい解釈が試みられていると思います。藤村龍至氏の解説によると、Rem Koolhaas は本来商業空間で発達した「検索可能性」「遭遇可能性」をこのライブラリーに活用しているというのです。「例えばデパートにおいて、エレベータは売り場を検索可能にする装置でありエスカレータは遭遇可能にする装置である。」ということなのです。つまり本でいえば目次にあたる部分がエレベータにあたり、中身はエスカレータということなのでしょうかね。この商業的なコンセプトを図書館という非常に伝統的な空間に持ち込んだということは非常に画期的だし、大事なことだと思います。様々なデータを検証していますが図書館は少しづつではありますが死につつあります。なんといってもインターネットの普及でもはや現代において情報収集という目的のために図書館へ行くという人は減少しています。そもそも本を読むという行為自体が現代ではなくなってきているのではないでしょうか。その分の時間は他のことにあてられているのではないでしょうか。それこそブログを読んだり、インターネットをみたり。また私が昔したような勉強をするという空間としても機能しなくなっているのではないかと思います。あの本の聖域のような場所が好きだという人ももちろんいるでしょうが、時代から取り残されたあの希有な空間を好まない人も多いと思います。その代わりにファミレス、カフェといった場所が好まれているのではないでしょうか。そこで私は新しいタイポロジーとしての図書館を提案したいのです。そこで登場するのが Nike Library なのです。が、今回あまりに長いのでまた次回この続きを書きたいと思います。

Seattle Public Library: OMA / LMN (Verb Monography S.)

Seattle Public Library: OMA / LMN (Verb Monography S.)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Actar
  • 発売日: 2005/09/30
  • メディア: ハードカバー


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Deploy Architecture 2 [school]

オリンピック、日本人選手の苦戦が続いているようですね。(追記:書き終わってから確認しましたが荒川選手が金をとりましたね!おめでとう!)長野五輪とかアテネなど最近は躍進著しかったんですけど今回は違いますね。ちょうど世代交代の時期なのでしょうか。世界で勝負といえば先日ビデオで「ガイアの夜明け」をみましたが、青森の食品が世界で勝負というとても画期的なテーマでした。何が画期的かというとですね、新しいビジネスモデルをつくってる、という点です。まあ僕が知らなかっただけなんでしょうけれども。あれをみているともはや農業というイメージはないですね。あれはもう食品を使ったビジネスだし、ある意味デザインですよね。売れることを、勝負することを前提としてものづくりをする。これはプロダクトデザインですよね。りんごという商品がら少々地味であまり知りませんでしたが、日本の農作物がヨーロッパ市場で勝負するというのはこれがはじめてのケースということでこれはもっと賞賛されるべきことなのではと思ってしまいました。こういう話題は海外で頑張っている日本人達にはとてもいい刺激になりますね。
さて、本題に入りますが、2月8日に書いた Deploy Architecture でのプレゼンを本日やってきました。

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LOT-EK [school]

アメリカの建築学校ではほぼ週一のペースで著名な建築家をよんでのレクチャーが開かれます。いまいちマイナーなうちの学校では少なくとも私が入学してからは「おっ!」という人はなかなか来ませんでした。私のいう「おっ!」というのは例えば、ロンドンのAA(Architectural Association) などのレクチャーによく来ているような、Rem Koolhaas氏 であるとか伊東豊雄氏であるとかまあミーハーといえばそうですがそういった人達ですね。うちの学校はなあ、などと思っていたのですがこのセメスターはうちの学校も攻めています。 今日はその第一弾としてLOT-EKがやってきました。私の在学している1年半の中で一番今日が混雑していたレクチャーではないでしょうか。 人数でいえば昨年UC Berkeley での安藤忠雄氏のときほどではなかったですがそれでも熱気は同じくらいあったと思います。 彼らはなんといっても、坂茂氏の紙管と同じようにあるマテリアルを繰り返し使う事で有名です。彼らの場合はコンテナです。彼らのウェブlot-ek.com で作品をみてもらえばわかると思うのですがとにかくよくコンテナを使います。今日のレクチャーでも大半の作品でコンテナの姿をみることができました。ユニット名からも想像できるように、彼らは既存のマテリアルを再利用しさらにそこに新しいテクノロジーを付け加えていくというところに Identity を見いだしているように思えます。それは例えば安藤忠雄氏のコンクリートであったり、古くはミースの鉄とガラスであったり建築家のなかにはある特定のマテリアルを頻繁に使う事で自身の建築家としての印象を強めているタイプもあると思います。

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more is different [school]

学校の授業の中でもメインに位置するDesign Studio。私はこの春が全6セメスターのうちの4セメスタ−めにあたります。そしてこのセメスターからはStudioもAdvanced Studioになるということであたえられる課題もハードなものとなってきました。メインのテーマは emerging network cultureというものでして、インターネットに代表されるように現代のネットワークとは今までのそれとは違い、リニア的な発展はもはやしていかず、相互は複雑にからみあいとてもオーガニックな発展の仕方をしていくというもの。ただそれは単にランダムなものとは違い一見しただけでは今後がどのような方向に向かっていくのかはわからないある一定の法則ある発展の仕方なのです。面白い例として、Cellular Automaton というものがあります。私も先日初めてきいたことばではっきりとつかんでいるわけではないのですが、どういうものかというと、まず白黒に色をつけた正方形を4つT字形に組み合わせます。(上の段に横に3つ、下の段に1つ)このT字を8パターンつくります。その8つの図形をある一定の法則でならべていくとある部分でどうしても不具合がおきる。つまり一定の法則があるにもかかわらず、そこにできあがってくる模様にはパターンがあるとはとても思えないものになってしまう。"Less is more." ではなく "More is different" なのです。 うーん完全に説明下手ですね。図にするとつまりこういうことです。

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Deploy Architecture [school]


本日のタイトルは授業の名前です。名前からしてなかなかひとくせありそうな授業。これは今私がとっている授業のひとつで現在の世の中にあふれる危機、いわゆるcrisisというものに様々なインフラストラクチャーなどを用いいかに対応してくかを学生各自のプレゼンを中心に論議していく授業。

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