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LOT-EK [school]

アメリカの建築学校ではほぼ週一のペースで著名な建築家をよんでのレクチャーが開かれます。いまいちマイナーなうちの学校では少なくとも私が入学してからは「おっ!」という人はなかなか来ませんでした。私のいう「おっ!」というのは例えば、ロンドンのAA(Architectural Association) などのレクチャーによく来ているような、Rem Koolhaas氏 であるとか伊東豊雄氏であるとかまあミーハーといえばそうですがそういった人達ですね。うちの学校はなあ、などと思っていたのですがこのセメスターはうちの学校も攻めています。 今日はその第一弾としてLOT-EKがやってきました。私の在学している1年半の中で一番今日が混雑していたレクチャーではないでしょうか。 人数でいえば昨年UC Berkeley での安藤忠雄氏のときほどではなかったですがそれでも熱気は同じくらいあったと思います。 彼らはなんといっても、坂茂氏の紙管と同じようにあるマテリアルを繰り返し使う事で有名です。彼らの場合はコンテナです。彼らのウェブlot-ek.com で作品をみてもらえばわかると思うのですがとにかくよくコンテナを使います。今日のレクチャーでも大半の作品でコンテナの姿をみることができました。ユニット名からも想像できるように、彼らは既存のマテリアルを再利用しさらにそこに新しいテクノロジーを付け加えていくというところに Identity を見いだしているように思えます。それは例えば安藤忠雄氏のコンクリートであったり、古くはミースの鉄とガラスであったり建築家のなかにはある特定のマテリアルを頻繁に使う事で自身の建築家としての印象を強めているタイプもあると思います。  LOT-EKの場合そのコンセプトの強さが際立ち他の部分が語られる事が少ないような傾向がありますね。作品をみるとそのその個性に魅せられてしまいあまり空間のことには目がいかないのは確かです。使われなくなった飛行機の機体の一部を使ってそれをビルディングの中に入れこんでいくといったものをみせられると、斬新かつ大胆それでいながらある意味エコロジカルなそのアイデアには個人的には大きな拍手を送ってしまいます。 しかし空間としてはどうなのでしょうかね。実物をみたことがないのでなんともいえませんが。 

彼らの作品はアート的といっていいと思います。多くの建築学校では良くも悪くも建築界の流れに沿ってしまう部分がある。例えばコロンビア大学などではブロブアーキテクチャが流行るとみんなその流れになってしまう。しかしアート学校は違って自分とは何かというところから創作が始まる、とそのようなことを語っていたと思います。そして彼らの作品も今風ではないと思います。今の今風とはもっとグネグネ、グニャグニャです。例を挙げればグレッグ・リンであったりNOXあたりが現在の主流といえるでしょう。しかしLOT-EKの作品のたいがいはミニマリズムを引き継いだかのような清さ、というか少なくとも形にはそれほどの奇抜さはありません。あくまでもコンセプト勝負というところが私としてはとてもアート的といえると思います。ただ観覧者からの質問にもあったのですがそのやり方には危険性みたいなものもあるかもしれません。やはりあくまで建築であるとしたら、言い方はわるいですが例えばなんでもかんでも自分たちのコンセプトでコンテナ、コンテナではサイトのコンテクスト、その土地の歴史などを無視しているといわれてもおかしくはないし、かといって何もかもサイト・スペシフィックではないといけないのかというとそういうわけでもないですし。なんとも 難しいものです。

The Snow Show

The Snow Show

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Thames & Hudson
  • 発売日: 2005/03/31
  • メディア: ハードカバー


LOT-EKも参加したフィンランドで行われたイベントが一冊の本にまとまっています。ここでの作品はトリノオリンピックでも展示されています。


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